公開 2025年8月06日/更新 2025年8月06日/9 分で確認
データの活用を進めたいものの何から手をつけるべきか迷っているような企業において最初に導入を検討したいツールが、データプラットフォームです。
この記事では、データプラットフォームの意味や機能、導入のメリットやポイント、注意点やおすすめのツールをご紹介します。
データプラットフォームとは、自社の活動で得られる多様なデータの活用を進めるうえで根底となるツールのことです。大きく以下の4種類の役割を担います。
貯蓄機能をデータレイク、加工済みのデータをデータマート、分析ツールをBIツールなどと細分化して呼ぶこともありますが、本質は変わりません。
データプラットフォームは、企業がデータ活用を進める際に最初に導入を検討すべき基盤として活用されています。
続いて、データプラットフォームを導入するメリットを見ていきましょう。
データプラットフォームは、多様なデータを一元管理できるのが特徴です。部門別やツール別に散在したデータを集め、有効活用の方法を探ることができます。
「あのデータはどこにあったかな」と探すような非効率な状況も防げるなど、データ活用に向けたハードルを下げられます。
ただ情報を放り込むだけでなく、必要なデータを素早く取り出せるのもデータプラットフォームの長所です。
収集したデータはタグ付けなどにより取り出しやすい形で保管され、構造化(列や行の概念を持たせるなど統計分析をしやすい形にすること)のような加工も容易に行えます。
データの収集から分析までを行えるデータプラットフォームでは、自社の課題の洗い出しも簡単に実行できます。
特定の属性を持つ顧客のサービス継続率が低い、有効であるように見えて実は集客できていない広告がある、などといった担当者の直感では見つけにくい問題も、データプラットフォームであれば明らかにできます。
昨今、データドリブンな経営の重要性が指摘されていますが、データをもとにした意思決定は速度の面でも精度の面でも優れています。
データを意思決定の指針にして社内に浸透させれば、生産性の低い会議や一人で迷う時間を減らし、業務の効率化を進めていけるでしょう。
データプラットフォームを導入する際は、大きく6つのポイントを意識しておきましょう。
特に重要となるのは、導入の目的の明確化です。自社ビジネスにデータを活用したいという広汎な要望を叶えられるデータプラットフォームですが、目的が明確でなければ、どのように利用したら良いのか迷ってしまいます。
データや知見はあのツールの保管庫を活用したい、サービスの解約率を下げたい、など、導入の目的を定めておきましょう。
導入の目的を明確にしたあとは、そのために必要な機能が搭載されているツールを選定しましょう。
一口にデータプラットフォームといっても、ツールごとに得意分野は異なります。マーケティングで役立つもの、社内にナレッジを蓄積していくためのものなどさまざまです。目的にあった機能があるか、目的を達成するために必要な機能があるかをよく考えましょう。
既存のシステムやすでに収集済みのデータを活用したい場合は、現在の環境とスムーズな連携ができるツールが求められます。
既存のPOSシステムや顧客管理システムと連携できたり、Microsoft社の各種ツールとのデータのやり取りが容易であれば、社内への導入も円滑に進むはずです。
データプラットフォームの導入をスムーズに進めるためには、事前の社内体制の構築や意識の熟成も必要となります。
単に現場へ「このツールも使って」とデータプラットフォームを提供するのと、必要性を周知してから進めるのとでは、社内への浸透速度に大きな差が生じます。可能な範囲でデータ分析に責任を持つ部門や担当者を用意することも有効です。
現実的な問題として、データプラットフォームの導入や運用にまつわるコストを把握しておくことも欠かせません。
データ活用は一度実践して終わりではなく、継続的に情報の収集や分析を進めることで真価を発揮します。少なくとも1年はデータ活用に取り組むなど、最低期間を決めた上で必要な予算を確保しておきましょう。
自社が取扱うデータの種類を把握し、その利用に適したデータプラットフォームを選択することも求められます。
前述の通り、一般的なデータプラットフォームはデータの加工機能を持ちますが、得意分野はツールごとにそれぞれ異なります。金融であれば金融に、マーケティングならマーケティングに特化し、自社と同業種・同分野の実績を持つツールを選ぶのがおすすめです。
データプラットフォームは強力なツールですが、一方で事前に把握しておくべき注意点もあります。
企業におけるデータの利活用では、個人情報の漏洩リスクを理解し、自社の顧客を守ることが重要です。一元的にデータを管理するデータプラットフォームには多くの個人情報も含まれますので、インシデントが発生しないよう、以下のポイントは押さえておきましょう。
データプラットフォームの導入に際しては、専門的な知見を持つ人材の確保も求められます。集めたデータをどう活用するのか、データ収集や分析の過程に誤りはないのか、分析結果の解釈は適切かなど、特に統計に関する知識は必須です。
実務においては、業界のトレンドや法規制の現状をキャッチアップできる人材も必要でしょう。
高度な人材を外部から確保することが難しい場合は、社内で育成を進める必要があります。
外部講師を招いて研修をしたり資格の取得を奨励する過程では、時間的にも金銭的にもコストがかかります。データプラットフォームに関する導入・運用コストの一種として事前に把握しておくべきです。
顧客エンゲージメントプラットフォーム「Braze」には、データプラットフォーム機能も搭載されています。SDKやAPI、CDI(クラウドデータインジェスチョン)によって既存システムと簡単に連携。セキュアな形でデータを一元管理し、マーケティングに必要な知見を導き出せます。
たとえば、米国・ロサンゼルスの高級スーパー「Erewhon」では、モバイル注文の促進とパーソナライズされた顧客体験の提供にBrazeを活用しました。
厳選されたオーガニック志向の食品や日用品を取扱い、あまたのセレブも利用する同社では、顧客一人ひとりの期待に向き合うことが極めて重要です。そこで、Brazeデータプラットフォームを活用し、ZapierやShopifyなどパートナーエコシステムと連携、顧客行動やエンゲージメントのデータをリアルタイムに把握。
データ分析の結果を意思決定の礎とすることで、顧客の属性に合わせた適切なチャネル(例:メール、アプリ内メッセージ、プッシュ通知など)とメッセージ内容を素早く検討できるようになりました。結果、モバイル注文のエンゲージメントは20%増加し、MAU(月間アクティブユーザー)が2倍にまで成長するなど、マーケティングへのデータの活用に成功しています。
データプラットフォームは、データの収集・管理・加工・分析を一挙に担えるデータ基盤のことで、導入に際しては、注意点やツールの特徴を理解し、選定を進めていく必要があります。
一方、データプラットフォームを導入する際には、押さえるべきポイントが注意点も存在します。そうした注意点を押さえつつ、マーケティングにおいて確実にデータプラットフォームを導入・活用したい場合は、ぜひBrazeにご相談ください。
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